ゴスペル・トレイン
宇宙スモッグに思いをめぐらせて、脳ミソのシワが一本一本とれていって、つるつるになると、3秒後に眠りの世界へと旅をするのだ。 
想像すればいいだけのハナシだ。雲行きが怪しくなったらテントをはればいい。いつもよりもゆっくりと流れてゆく。 
緑の芽からピンク色の花びらへと、ゆっくりと流れてゆく。 
ボク等はただ流れに乗ればいい。ボクは樹で、キミは・・・。 
季節の移り変わりなんて気にしない。咲きたい時に咲き、散りたい時に散る。 
イビツな大木を切り倒した、奴らの手は血まみれだ。 
400年の眠りから覚めろ。 
復讐を誓え。 
奴らの血の一滴まで呪うのさ。 
地中深く根っこをスピンさせて、速く遅く、すみやかに、のろのろと、ゴーストの家に用がある。 
小指のない少年と挨拶をかわし、でっぷり太ったインディアン女と契約を交わす。 
とびきりの頭痛に悩まされたら、アスピリンよりもカーディガンを。 
クモの巣の様なモヘアがチリチリに燃えてしまわないように用心しながら、できるだけ暖炉の傍で、本でも読もうぢゃないか。 
射すような朝陽が出発の知らせをもってくる。 
聞き憶えのある儀式のうめき声と、足を踏み鳴らす音で、死んだ犬達は生き返り、ボクはボクのピカピカの心臓をプレゼントする。 
最高の彼岸を思い描け。 
灰色が、海と空を縫い付ける。 
AマイナーからCメジャーさらにGメジャーそしてEメジャー。その後は勝手にすればいい。 
登場人物がいくら入れ替わろうと、コップの水がいっぱいになれば溢れるしかないのだから。 
「オマエはバカみたいに繊細すぎるんだよ。」 
神様の声が、今夜も彼の暗闇の中に忍び込んでくる。 
「誰にオマエの血を捧げようと私の知ったコトではないけれど、アレには手を出すな。生きているコトを後悔するはめになるぞ。」 

彼は暗闇を眺める。吠えない。パックリと開いた傷口から神が忍び込まないように、慎重に一息を吐く。 
パックリと開いた傷口から欲望が流れ落ちないように、慎重に息を呑み込む。 
腕立て伏せを300回と腹筋、背筋運動をそれぞれ400回、ストレッチに独り言。彼の暗闇に彼の目が慣れるまで繰り返す。 
「白痴の神様、オレはオマエに勝ってやる。シャクレ顔の神よ、オマエのアゴを砕いてやる。オレはオレの薄汚い欲望でもって、オマエの聖なるモノをベトベトに汚してやる。待ってろ!」 
ハエの速さと、蛇の持久力を身につけろ。 
神の軍隊がいっせいに降りてきて、自由になりたいと願う誰かの周りを取り囲み、保護する。まあ、いずれ奴は後悔するのだがね。 
その価値について誰かに尋ねたところで無駄なこと。奴は自分が一体何について後悔しているのかも解からないのだから。 
あんたがたの信じる神の軍隊が、あんたのために戦い、あんたを守る。 
全ての価値を推し量る者があんたの足元にひざまつき、カカトを喰いちぎる。 
誰の頭の上にも夜は訪れる。 
腹ペコなのさ。 

おー、ホントたのむよ。 
変態どものワナから子供を守れ!!