ハイウェイ61再訪
「最悪を知らねえモンに最高が分かるワケがねえ」 
「でもさ、とうちゃん。オラ何か食わねえと死んじゃうよ」 
「腹いっぱいでも死ぬときゃ死ぬ」 
「でもさ、とうちゃん。オラ餓死やだよ。カッコ悪いもん」 
「おっ!いいねぇ。オマエも死の際について美意識もってやがんのか」 
「何言ってるかわかんないよ、とうちゃん。」 
「よし。山と海どっちがいい」 
「何だよ、それ」 
「イケニエだろが」 
「ん?」 
「なっ。最高にクールだろ?」 
「鳥も魚もヤダネ。大嫌いだ。でも、犬はもっと最悪だよ。だから犬にしてよ」 
「オマエ、最高にクールだな」 
「でもさ、とうちゃん。オラ、もうガリガリだよ」 

100年後・・・ 

『誰だってそうだ。道の途中で立ち止まって辺りを見渡せば、すぐ傍にヤツ等がいることに気付くだろ』 
『しっかしアレだな。ジャック・ニコルソンより、よっぽどジョニー・キャッシュの方が“サタン”面だよな』 
『うん。しかもヤツは死んで“ホンモノ”になった』 
『イカスなぁ~』 
『うん。イカシてる』